心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

2008/09/12人材育成の考え方や方法

スターバックス成功物語

28398309.jpg私はコーヒーは飲みませんが、ちょっとした打ち合わせでスターバックスを利用することもあります。最近のスターバックスの業績は厳しいようですが、「スターバックス成功物語」を読み直してみると、経営トップと社員の価値観の共有、信頼関係について共感することが多く書かれています。


以下、本の抜粋です。

・スターバックスの社員は、仕事に誇りを持っているから簡単に転職しないのだ。わが社の労働移動率は企業平均の半分以下なので費用を節約できるばかりか、顧客との人間関係を深めるのにも役立っている。しかし、もっと大きな利点がある。自分が働いている会社が好きになり、会社の方針や目標に共感した社員は、会社発展のために努力するようになる。社員が自尊心と誇りを持てば、さらに会社や家庭、社会に貢献するにちがいない。

・企業が草創期の情熱と精神を失わずに大きく成長するには、利益の追求を第一とするのではなく、正しい価値観と人材を基盤とした経営が必要である。

・企業と社員の間に築かれた信頼関係ほど大切なものはないということである。経営者から正当な報酬を受けていないと感じた社員は、疎外されたと思うだろう。社員が経営者に不信感を抱くようになったとたんに、その企業の将来は危うくなる。

・企業家は、会社の発足当初から、社内文化や価値観、指導理念を組織に浸透させなければならない。それが会社の方針や雇用、経営戦略を決める基盤になる。CEOであろうと幹部社員であろうと、毎日仕事をするに当たって一番大切なのは、会社の価値観を他の社員、とくに新入社員に啓蒙することだ。企業の規模にかかわりなく、正しい社内文化を確立しなければ成功はおぼつかない。

・事業計画などは単なる紙切れに過ぎない。いかに見事な事業計画書でも、社員がそれを受け入れなければ何の価値もないのだ。社員が経営者と同じ気持ちになり、心底やり遂げようと決意しなければ、事業を継続することはおろか、軌道に乗せることすらおぼつかない。そして社員は、経営者の判断が信頼でき、なおかつ自分たちの努力が認められ、正当に評価されるのだと実感したとき、初めて計画を受け入れるのだ。

・社員が互いに尊敬し合う社風を育むこと。これは興味深い選択肢の一つなどではなく、スターバックスの事業を支える根幹なのである。全社員が共通のビジョンを抱かなければ、われわれの目標は達成できない。理想を実現するには、社員を大切にし、鼓舞し、長期的な価値の創出のために共に働く人々と利益を分かち合う組織の確立が必要なのだ。私は、そういう価値観と経営方針を基盤に競争上の優位に立ち、長年にわたって繁栄し続ける会社をつくりたかった。そして、同じ目的のために協力し、政治的な争いを避け、不可能とされる目標に向かって喜んで邁進する人々、そういう人たちを採用したいと思ったのだ。私の究極的な目標は自分の欲望を満たすだけでなく、社会的にも高く評価される社内文化を持つ企業を作ることだった。

・ミッションステートメント(社訓)
 ・働きやすい環境を提供し、社員が互いに尊敬と威厳をもって接する。
 ・事業運営上の不可欠な要素として多様性を積極的に取り入れる
 ・コーヒーの調達・焙煎・流通において、常に最高級レベルを目指す。
 ・顧客が心から満足するサービスを提供する。
 ・地域社会や環境保護に積極的に貢献する。
 ・将来の繁栄には利益率の向上が不可欠であることを認識する。

・ビジョナリー・カンパニーの創業者にとって、最も大切なことは組織を作ることであり、着実に前進することである。先見性のある商品のアイデアで、ヒットを生み出すことではない。

・起業家が果たすべき責任の中で最も重要なのは、自分の価値観を組織内に浸透させることだ。当時は気付かなかったが、今ではそう確信している。

・われわれはまず社員の間にブランドを浸透させることから始めた。クラッカーやシリアルを扱う企業が、まず消費者にブランドを浸透させたのと正反対のやり方だ。顧客の期待に応え、喜んでもらうには、優秀な社員を採用し教育するのが一番だと信じていた。だからこそ、コーヒーに情熱を燃やす社員の育成に投資してきたのだ。

・長年スターバックスは、製品の宣伝よりも人材の育成により多くの資金を投じてきた。新入社員の24時間研修は常に内容が見直されている。



どれも素晴らしい考え方です。
そして、その価値観の浸透方法は様々ですが、それを人事制度に落とし込み、仕組みとして繰り返し運用していくことも大事なことです。

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