心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

2008/10/24物事の捉え方、心の持ち方

「腹を立てない」人間力向上セミナー

昨日、「人間力向上」がテーマのセミナーに参加しました。

色々と勉強になるセミナーでしたが、その中で印象に残った話をひとつご紹介します。



その講師の方(以下、Aさん)が数年前にあるセミナーを受講した時のことです。


そのセミナーは1週間の合宿研修。その中でのある1日です。


その日のテーマは「腹の立たない自分になる」。


朝、研修の先生が「最近、腹の立ったことを思い出して下さい。そして、思い出した方から話に来て下さい」と言います。


これが1日の研修のすべてです。
参加者60人に、聞き手の先生は2人です。


Aさんが最近腹が立ったことは次のような内容です。


Aさんは、個人で開業して年収1,000万円の目標を立て、部屋に張り出していました。

それをAさんのお父さんが見て「お前に出来るわけない。こんな目標立ててバカじゃないか!」と言いました。

Aさんは、せっかく目標を立てたのに「そんな言い方ないだろう。『目標に向かって頑張れ』ぐらい言うのが親じゃないか」と喧嘩したことを思い出しました。


Aさんは先生にその話をします。


すると先生が一言。


「何でそのことに腹が立ったんですか?」


Aさん (この先生、私の話を聞いてないのか?)

「今言ったじゃないですか」と言いながら、もう一度その内容を話します。


すると先生が一言。



「何でそのことに腹がたったんですか?」



Aさん (えっ、この先生何なの?信じられない。仕方ない。もう一度言おう。)

もう一度その話を繰り返します。



すると先生がまた一言。



「何でそのことに腹がたったんですか?」



Aさん (ガクッ。)



先生 「一人でじっくりと考えてみて下さい」



Aさん (何が問題なんだ。これが研修?)



考えても分からない。


何度か先生の所に行き話をしますが、
先生はただ一言 「何でそのことに腹がたったんですか?」。



時間の経過とともに、参加者が答えを見つけ、1人、また、1人と徐々に研修場から出て行きます。


夕方、参加者60名のうち残り3名です。


その3人の中の1人がAさん。

Aさん (1日中こんなこと考えていたら、結構、腹が減るな。答えはさっぱりわからない)

Aさんが先生から声を掛けられます。
「何でそのことに腹がたったんですか?」と。


Aさん 「父は私の掲げた目標をみて『お前に出来るわけない。こんな目標立ててバカじゃないか!』と言い、その目標は無理だと思っていました。私は『目標に向かって頑張れ』って励まして欲しかったと思っただけです」



すると先生が「それでいいんですよ」と。


Aさん (えーーーーーーー。)
「それでいいんですか」


先生 「ものごとの考え方は、一人ひとり違う。いろいろ言われても、『あなたはそうなんですね』という受け止め方一つで終わるんです」



『あなたはそうなんですね』


人はそれぞれ、生まれや育った環境が違うように性格や考え方も違います。
それをそのまま受け止めれば、腹が立つことはありません。
「そういう考え方もあるんだ」でいいんです。


Aさんは、それから1週間は心が澄みきったように、まったく腹が立つということがなかったということです。


「人生は修行の場」です。

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