心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

配信日: 2013/11/28

vol.61 思いどおりにならないことへの耐性 (2013.11)

『重要なのは、エベレストの頂上に立ったか否かではない。そこに至る過程で何を
経験したかだ』(イタリアの登山家ラインホルト・メスナー)

 


こんにちは。“魂のコーチング”アクシスエボリューション田中伸一です。

 

今年は秋が短く、あっという間に冬がやってきました。この時期になると畑に行く
のも週に1回。先日はこの冬初のダイコンの収穫。大きく立派なダイコンです。葉
っぱは、お葉漬けに、本体は大根おろしやぬか漬け、煮物に、おいしくいただいて
います。

 


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■1 思いどおりにならないことへの耐性
■2 「僕がすること」
■3 あとがき

 

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■1 思いどおりにならないことへの耐性
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私がメンターとして慕っている野口嘉則さんの新刊『「これでいい」と心から思え
る生き方』からの紹介です。

 

 

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私たちが人とコミュニケーションを交わすとき、相手は必ずしもこちらの期待どお
りの反応をしめすわけではありませんよね。

 

ですが私たちは、相手が身近な人であればあるほど、相手に対して無意識に期待を
持ってしまいます。「このくらいのことはわかってくれるはずだ」とか、「以前お願
いしたことをおぼえてくれているはずだ」とか、「聞き分けのないことはいわない
はずだ」とか、そんな期待をひそかに持つわけです。しかし、そのような期待どお
りの反応を相手がしてくれないということは、日常茶飯事です。

 

ここでカギを握るのは、「思いどおりにならないことへの耐性」です。この耐性が
弱いと、すぐにイライラしてしまったり、あるいは相手を是正しようとしたり、相
手をコントロールしようとしたりします。ときには怒りを爆発させる場合もありま
す。

 

これでは、おたがいが幸せを感じるような人間関係をなかなか築くことができませ
んね。

 

逆にこの「思いどおりにならないことへの耐性」が強い人は、思いどおりにならな
い状況の中でも、相手のことを尊重しながら、対話の努力を建設的に続けていくこ
とができるので、幸せで豊かな人間関係を築けるのです。

 

(中略)


自分の目の前の世界を思いどおりにコントロールしようとすることを「操作主義」
といいますが、現代人には、この「操作主義」のパラダイムが浸透していると思わ
れます。


人は、操作主義になればなるほど、コントロールすることへの執着心が肥大化して
しまい、思いどおりにならない状況に耐えられなくなります。つまり悩みが増える
のです。仏教や老荘思想でも言っているように、思いどおりにならないことを思い
どおりにしようとする執着心こそが、人生の根本的な苦悩を生み出すのです。


(中略)


それにしても現代は、操作主義全盛の時代と言えそうです。書店で子育てやコミュ
ニケーションスキルの本の目次をながめてみると、「子どもをやる気にさせる」と
か、「部下を動かす」とか、「相手に行動を起こさせる」などの操作主義的な言葉が
並んでいる本も珍しくありません。


「自分が子どもだったら、あるいは部下だったら、操作主義的な意図を持った親や
上司によって、やる気にさせられたいだろうか? 動かされたいだろうか? 行動
を起こさせたいだろうか?」という視点で考えると、操作主義的なコミュニケーシ
ョンがいかに一方的なものかがわかりますね。


私たちは、操作主義的なパラダイムにもとづいて相手と接しているとき、「相手の
人格に対する畏敬の念」と「謙虚な姿勢」を失っています。


ですから、操作主義的なスタンスで人と接するならば、どんなに優れたコミュニケ
ーションスキルを駆使したとしても、真に心の通った対話はできません。


(中略)


思いどおりにならなかったことにいつまでも囚われている人のことを、「あきらめ
が悪い」などと言ったりしますが、この「あきらめる」という言葉の語源は、「明
らかにする」「明らかに見極める」というものです。


思いどおりにならないことを、思いどおりにならないこととして見極めること。つ
まり、勇気を持って現実を直視し、ものごとの本質を明らかに見て受け入れること。
そして、そのことによって執着心を手放すことこそが、本来の「あきらめる」とい
うことなのです。


自分の力でなんとかできそうなことに対しては、最後までベストを尽くす。そして、
自分の力でどうにもできないことに対しては、あきらめてあるがままに受け入れる。
そのような生き方をしたいものです。

 

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私はこれまでいろんな方から学んできましたが、野口嘉則さんからの学びが私にと
っては一番深く、一番影響を受けています。

 

最後の三行に書かれた生き方「自分の力でなんとかできそうなことに対しては、最
後までベストを尽くす。そして、自分の力でどうにもできないことに対しては、あ
きらめてあるがままに受け入れる」これを実践していきたいと思います。

 

野口さんの公式ブログにも関連する興味深いお話がいくつかご紹介されています。
http://coaching.livedoor.biz/

 


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■2 「僕がすること」
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野口嘉則さんの新刊にも紹介されている野口さんの詩「僕がすること」を紹介させ
ていただきます。この詩は、かつて断ることが苦手だった野口さんが自分を大切に
して生きようと決めた時に、自分を勇気づけるために書かれたものです。

 

私も昨年この詩を読んでから、自分を大切にできるようになってきました。
じっくり味わって読んでいただけたらと思います。

 

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僕が僕の欲求を大切にすることによって、
僕を嫌う人がいるとしたら、
僕を嫌いになってくれた方がいい。

 

僕が僕の気持ちを大切にすることによって、
僕から離れていく人がいるとしたら、
離れていってくれたほうがいい。

 

その人たちが僕を嫌って離れて行ってくれたら、
僕はますます、自分のことを大切にしやすくなる。

 

逆に、その人たちと仲よくし続けようとしたら、
僕は自分の欲求や気持ちを永遠に抑え続けないといけない。

 

だから、僕が僕を大切にすることによって、
僕を嫌って離れていく人がいるとしたら、
そうしてくれたほうがいい。

 

だれが僕のことを嫌いになろうとも、
だれが僕から離れていこうとも、

 

僕がすることは
僕自身を大切にすること。
僕自身の味方になること。
僕自身をゆるし、愛すること。

 

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続けて、フリッツ・パールズ博士の「ゲシュタルトの祈り」も紹介されています。

 

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私は私のことをする。
あなたはあなたのことをする。


私は、あなたの期待に応えるために生きているわけではない。
そしてあなたも、私の期待に応えるために生きているわけではない。


私は私、あなたはあなた。
もしも偶然、私たちの心が触れ合うならば、それは素敵なことだ。
もし触れ合えないとしても、それは仕方のないことだ。


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私も以前は、例えば、人からお誘いいただいて気乗りしない時も、自分の気持ちよ
りも相手を優先させ、お付き合いすることがありました。

 

この詩を読んでからは、断ることも苦手ではなくなり、自分の気持ちに素直に生き
ていくことができるようになってきました。また、人それぞれの価値観や好みの多
様性を受け入れる幅もできたような気がします。

 

野口さんの本にも書かれていますが、自分の気持ちを大切にすることによって、相
手が不機嫌になったり、離れていったりすることもあります。その時は同時にその
感情(寂しさや悲しさ)も大切にするようにしています。

 


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■3 あとがき
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昨日、出生時に赤ちゃんを取り違えられて、違う両親のもとで育てられ、生後60
年で発覚したというニュースがありました。

 

その方の気持ちは想像を絶するものがあると思いますが、あらためて自分自身が実
の両親のもとに育てられて、今こうして幸せに暮らしていることを、ありがたく感
じました。それをじっくり感じていると、急に両親に電話したくなり、電話で感謝
の気持ちを伝えました。

 

「幸せは、どこかに探し求めるものではなく、今ここに感じること」と言いますが、
今、この瞬間を大事に、感謝の気持ちを大事にしながら生きていこうとあらためて
思います。

 


最後までお読みいただきありがとうございます。


皆様に、すべての良きことが向かっています!

 

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