心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

配信日: 2014/04/30

vol.66 あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと (2014.04)

『誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたに

は関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であ

るかどうかなど考えることなく』(アルフレッド・アドラー)

 

 

こんにちは。“魂のコーチング”アクシスエボリューション田中伸一です。

 

 

この4月から、自宅から1kmの市民農園を3区画(15坪)借りて、野菜作りを

しています。昨年度は、自宅から5km離れた農園で10坪、1kmの市民農園で

5坪だったので、随分と野菜作りがやりやすくなりました。春・夏野菜の植え付け

も終え、収穫が楽しみです。(*^_^*)

 

 

*****《 メニュー 》**********************

 

■1 あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと

■2 車から降りない息子

■3 あとがき

 

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■1 あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと

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アドラー心理学を対話形式でわかりやすく紹介した『嫌われる勇気―自己啓発の

源流「アドラー」の教え』(岸見一郎氏、古賀史健氏著)からの紹介です。

 

 

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たとえば目の前に「勉強する」という課題があったとき、アドラー心理学では

「これは誰の課題なのか?」という観点から考えを進めていきます。

 

子どもが勉強するのかしないのか。あるいは、友達と遊びに行くのか行かないのか。

本来これは「子どもの課題」であって、親の課題ではありません。勉強することは

子どもの課題です。

 

そこに対して親が「勉強しなさい」と命じるのは、他者の課題に対して、いわば

土足で踏み込むような行為です。これでは衝突を避けることはできないでしょう。

われわれは「これは誰の課題なのか?」という観点から、自分の課題と他者の課題

とを分離していく必要があるのです。

 

他者の課題に踏み込まない。それだけです。

 

およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと

―あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること―によって引き起こされます。

課題の分離ができるだけで、対人関係は激変するでしょう。

 

誰の課題か見分ける方法はシンプルです。「その選択によってもたらされる結末を

最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。

 

もし子どもが「勉強しない」という選択をしたとき、その決断によってもたらされ

る結末―たとえば授業についていけなくなる、希望の学校に入れなくなるなど―を

最終的に引き受けなければならないのは、親ではありません。間違いなく子どもで

す。すなわち勉強とは、子どもの課題なのです。

 

たしかに世の親たちは、頻繁に「あなたのためを思って」という言葉を使います。

しかし、親たちは明らかに自分の目的―それは世間体や見栄かもしれませんし、

支配かもしれません―を満たすために動いています。つまり、「あなたのため」で

はなく、「わたしのため」であり、その欺瞞を察知するからこそ、子どもは反発す

るのです。

 

アドラー心理学では、放任主義を推奨するものではありません。放任とは、子ども

がなにをしているのか知らない、知ろうともしない、という態度です。

そうではなく、子どもがなにをしているのか知った上で、見守ること。

 

勉強についていえば、それが本人の課題であることを伝え、もしも本人が勉強した

いと思ったときにはいつでも援助する用意があることを伝えておく。

けれども、子どもの課題に土足で踏み込むことはしない。

頼まれもしないのに、あれこれ口出ししてはいけないのです。

 

アドラー心理学のカウンセリングでは、相談者が変わるか変わらないかは、カウン

セラーの課題ではないと考えます。

 

カウンセリングを受けた結果、相談者がどのような決心を下すのか。ライフスタイ

ルを変えるのか、それとも変えないのか。これは相談者本人の課題であり、カウン

セラーはそこに介入できないのです。

 

無論、精いっぱいの援助はします。しかし、その先にまでは踏み込めない。ある国

に「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」という

ことわざがあります。

 

アドラー心理学におけるカウンセリング、また他者への援助全般も、そういうスタ

ンスだと考えてください。本人の意向を無視して「変わること」を強要したところ

で、あとで強烈な反動がやってくるだけです。

 

自分を変えることができるのは、自分しかいません。

 

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私も数年前から、子どもや他者の課題と自分の課題を切り分けて考えることができ

るようになり始め、相手と関係性もよくなってきました。

 

自分が変えられるのは、自分だけ。

他者は変えるのではなく、信頼し、応援する対象です。

 

この本には、他にも「承認欲求の危うさ」「私たちは他者の期待を満たすために生

きているのではない」「共同体感覚」「自己受容・他者信頼・他者貢献」など興味深

い内容が書かれています。お勧めの一冊です。

 

 

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■2 車から降りない息子

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先日、父と母の古希のお祝いで、妻や息子、妹とハウステンボスに行った時のこと

です。

 

駐車場に着き、車から降りる時、息子が車から降りようとしませんでした。

(息子は一般的な子とは違うので、こちらのブログ記事「私の尊敬する息子の彰悟」

 ご覧ください)

 

家族みんなには、先に降りてもらい、私が息子をなんとかして後から連れて行くこ

とに。

 

息子には、この旅行の意味を伝えたり、一緒に来てほしいとお願したりしましたが、

一向に降りようとしません。

 

そこで、最終手段として、無理やり息子を抱きかかえ、連れて行くことに。

激しい抵抗にあいましたが、何とか一緒に来てもらうことができました。

 

そんな息子に、「一緒に来てくれてありがとう」と私が言うと、

それを見ていた母が「あんたは、そうやって言うんやね~」って言いました。

 

私にとっては、一緒に来てくれた息子は、感謝する存在でしかなかったのですが、

母はそれに感心していたようでした。

 

ハウステンボスには、家族みんなで楽しもうとして行きました。

でも、息子の立場で考えてみれば、息子がリクエストしたわけでもなく、みんなが

行くから一緒に車に乗って来ただけで、駐車場に着いてみたら、行きたい気分では

ない。なので、ここにいたいというだけのこと。

 

それを私たちの都合で、一緒にハウステンボスの中に入ろうとしたのです。

本人が気の進まないことを、私たちの都合で来てもらうので、私から見れば、あり

がたく、感謝するのが普通の感覚でした。

 

でも、母から見るとその時の息子は、車から降りない困った子のように感じたよう

です。

 

同じ出来事でもいろんな捉え方があります。

母の一言で、そのことにあらためて気づきました。

 

その後は、特に息子も抵抗することなく、楽しい旅行をすることができました。

(*^_^*)

 

 

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■3 あとがき

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先月からあるセミナーに参加していて、そこで自分の内面に起こっている「好まし

くない感情」(不安・不満など)に向きあうワークをしています。

 

数年間に比べると、私の中にある「好ましくない感情」はかなり減っています。

なので、ここ最近は、それをあまり感じようとはしていませんでした。

 

でも、せっかくセミナーで学んでいるので、ほんの些細な好ましくない感情でも、

それがあると、感じたり、書き出したり、分析したりすることに取り組んでいます。

 

「好ましくない感情」は十分に感じると、解放され蒸発して消えていくと言います。

いま、それをあらためて自分の中で実感しています。

 

ネガティブな自分、古い自分が消え、本来の自分、新しい自分に生まれ変われるよ

うな気がしています。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


皆様に、すべての良きことが向かっています!

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